My soul and life

心のつぶやき

【至福の時】

子供の大学進学が決まった。
来月から自宅を出て一人暮らしを始める。



わたしはこれまで子供に料理や家事をさせてこなかった。
子供に学業に専念してほしかった。
だから、何もさせていない。
唯一、取り込んだ洗濯物をクローゼットに片づけることくらいは
させてきた。


これは夫さんに対しても同じ。
仕事に専念して欲しいから家事はわたしが引き受ける。
夫さんにも洗濯物の片づけ程度しかさせていない。




そして。
家族で話し合ってひとり暮らしが決まってから
子供に料理を教えている。


今は、外食やコンビニで済ますこともできるけれど、
料理という作業が脳の回転にいいと聞いて、
子供が好きで簡単に作れるメニューをいくつか教えることにした。



包丁を握ったのは小学校の家庭科だけという子供。
わたしが玉ねぎや野菜を切って見せる。


「今やったみたいにやってみて」と、わたし。
「うん」と、子供。


え?その方向に切る?
わたしがやって見せた方法と違う。


「あれ?違った?こうやって切るのが合理的かなって」と、子供。
「いやいや、合理的って、、理系脳で考えなくていいから」と、わたし。
「人参、すっごい固い?半分に切れてない!」と、驚く子供(笑)




見事に半分に切れてない(笑)
「数学の方が簡単だよね」と、子供。



。。。ということは。
わたしの料理偏差値は、子供の数学より上?
普段、何も考えずに食べてきた食事はね、毎日こうやって作ってきたの。
感謝しなさい!(笑)



フライパンに油をひく。
「油パチパチ音してるし、ここに野菜入れる?」と、子供。
「早くしないと油がもっと跳ねるし、早く入れて」と、わたし。



わちゃわちゃしながらも完成。
「意外とおいしい」と、子供。


おそるおそる食べてみた。
意外どころか、すごくおいしい!
なんていうか、、、子供の成長を感じてうれしくなった。



昨日は、子供だけで作らせてみた。
えっと、、、と言いながらどうにかできたようだ。


どこにでもある野菜炒めや、ありふれたメニューだけど。
とても美味しいのはなぜ?
なんだか不思議な気分。



合格発表から二週間ほどだけど、一緒にキッチンに立って
いろんな話をしながら料理を作る時間。


子供の成長を深く感じた。


きっとこれって。
至福の時、なんだろうな。



あと数日で家から離れていくけれど。
いつも、ずっと、応援しているよ。